13階段 [本2005]
死刑囚の冤罪を晴らすために、元刑務官と前科持ちの青年が奔走する話。
冤罪晴らしもの。そんなジャンルがあるかどうかは知りませんけれど。
私は、賞取ったとか、有名作家が絶賛とか、なんか本屋で平積みされているというだけの理由で本を買う傾向にあるのですが、この作品も宮部みゆき氏が絶賛であり、江戸川乱歩賞を取っているだけあって、かなり面白かったんだけれども、すごく手堅い印象。
日本の死刑制度の現状とか、問題点に触れるのだけれども、ソリューションが語られていないのでちょっと深みが足らない感じがしました。
「ソリューション」って単語をムリクリ使ってみたものの、使い方あってるか不安なのですが、あまり気にしないことにします。
203号室 [本2005]
夏は怪談話の季節でしょ。やっぱり。
と言ってもまだ初夏で時期はずれですが。
そう言う話が苦手な方は以降の文章読まないでください。
タイトル買い。平積みしてあったので思わず手にとってしまいました。
内容は、オーソドックスなホラーもの。
あらすじ:
引っ越した部屋(203号室)で「変なこと」がいっぱい起きて最後はドカーン。
この「変なこと」なんですけど、高校時代に「変なこと」が起きるマンションに住んでる知り合いがいて、いろいろ話を聞いたんですが、その時聞いた話と類似点が多かったところにリアリティを感じました。
・床の一部が生暖かいことがある。(203号室と一致)
・部屋の中で他に誰もいないのに足音がする。(203号室と一致)
・お札貼ったら変なことが一時的に収まったけど、しばらくたって昼寝中に他に誰もいないのに肩叩かれて起きたらお札剥がれてた。(203号室と類似)
・寝てるとベットがゆれる。
・週刊少年ジャンプのページが風もないのに勝手にめくれる。
・家族全員で夕飯食べてたら、玄関で「ただいまー」って声がしてドアが開閉する音。でも、誰もいなかった。
・知り合いが友達に「おまえん家に電話かけたら、知らない人が出て「XXなら死にました。」とか言われたんだけど、変な親戚でも住んでるの?」と言われた。その電話があった時間帯に知り合いは家にいた。
小説と違うのは、最後にドカーンとかすごいことが起きていないこと。
きっと、全部プラズマの仕業です。
友人ではなく、知り合いなので連絡とかは取っていないのですが、普通に就職して働いているそうです。
あと、中学校の時、友達と歩いてたらいきなり「ひゃぁっ!」とか言って走りだして、「どうしたの?」って聞いたら「突然、耳元で”うふふっ(はあと)”って女の人が笑う声が聴こえて…。」ってこともありましたね。
それもプラズマの仕業なんですけどね。
関連記事見てたら興味深い記事を発見。
■ちょっとマジでゾッとしたんだけど・・・(H.R.S→ニュー速VIPブログ経由)
http://issei.blog4.fc2.com/blog-entry-167.html
この怪談話は怖いというか不思議です。新しいです。
意味不明なちょっと気味の悪い文章が、3年後の書き込みと繋がって…。
正直、203号室よりも面白かったです。
■死ぬほど洒落にならない話優秀作品
http://www2.csc.ne.jp/~okaruto/kowaisakuhin.htm
とりあえず、全部読んで見た。「温泉で」が一番きたかも。
メドゥサ、鏡をごらん [本2005]
「人に勧められるほど面白い?」と言われると「うーん、どっちだろう。」
と迷う程度には面白いホラー小説。
自分はある本を読んでから1年ぐらい経つと、内容をサッパリ忘れてもう一度楽しく読めると言う特技?を持っています。
この小説、実は2年前ぐらいに読んだのだけれど、珍しく内容をはっきり覚えています。
ただ、「井上夢人」の小説はなんのあらすじも何も知らずに潜入観も何もない状態で読んだ方が200%ぐらい楽しさアップするという自説を持っているので内容にはあまり触れませんが、
変死事件発生→調査→あれなんかマジでオカルト?
と言うお約束の話の流れです。リング系。
読んでいると、始終「不安」な気分になります。読んでいて楽しいじゃなくて不安な気分。
負の気分にさせてくれる小説はそうそうないので内容をはっきり記憶しているのだと思います。
上の画像だと『帯』がついていないのですが、『帯』の文句がすごい嫌です。ダークサイドマックスです。以下、真っ黒い帯に下の文だけが書いてあります
呪いの書
ここまで行くとB級な雰囲気すらしますが、自分がいままで読んだ小説のなかで一番読後観が悪かったと言うことを付記しておきます。
月に繭 地には果実 [本2005]
タイトルと表紙からは全く連想できませんが「“∀”Gundam」の小説。
作者が意外(「ローレライ」「亡国のイージス」の作者)だったので思わず購入して読んでみたわけですが、なかなか面白かったわけです。
「「“∀”Gundam」の小説今読んでいるのさぁ。」
と友人に話したら、
「いや、“∀”はヒゲが生えている上に、コクピットがキ○タ○に酷似しておるので認められないのだよ。つうかデザイン終わってる。」
と返され、私自身も格好悪いと言う印象しかなかったのですが、小説なので頭で勝手に格好よさげなデザインに変換してしまえば気になりません。
ニュータイプの少年が、ひょんなことからモビルスーツに乗って戦うって、まぁ、お決まりのパターンで物語は進んで行くのですが、
主人公が「全裸で首からちょきんぎょをぶら下げた格好」でモビルスーツに乗ると言う想定外の展開で、完全にやられてしまいました。
嘘だと思うのなら読んでごらんなさい。
ガンダムなんて知らねぇ。なんて人も普通に楽しめる内容になっていると思います。
・『いやぁ、これはいくらなんでもご都合主義に過ぎるのでは?』といった事象を「ニュータイプ」「ナノテクノロジー」2つの単語だけで説明。
・ディアナとキエルの二人のヒロインの容姿が全く同じ事に対する説明が最後までなされない。深い理由が何かあると匂わせておいて放置。
粗探しするといろいろとまぁあれですが、読んで面白ければOKと言う人にお勧めいたします。
池袋ウエストゲートパークⅤ [本2005]
ブクロ最高ぉぉぉ!
5巻目です。
小説中のマコトはブクロ最高ぉぉぉ!なんていいませんが。
めんどくせぇぇぇ!とかもいいませんが。
あらすじ
① 困っている人がマコトに助けを求める。
② マコト一人で解決に乗り出す。
③ 解決したはずが更なるトラブル
④ タカシ、サル、吉岡、ゼロワン等の協力を得て解決に乗り出す。
⑤ 一件落着
現代風水戸黄門だと私は思います。
5巻目になると新鮮さよりも定型の気持ち良さ。
軽やかな文章のスピード感は変わらず一気読み。
扱っているテーマは重いはずなのに
語り手がマコト(おれ一人称)なのも手伝い読後感は軽め。
胃がもたれない豚骨ラーメン食べた後に似てます。
引用:
『検索エンジンで自殺系サイトといれると約七百件のヒット。メンタルヘルス&自殺でサーチすると一万近いホームページがでてくる。』
本当なのか実際にやってみました。
○Googleで検索。
・自殺系サイト:4,730件
・メンタルヘルス 自殺:26,200件
○Yahoo!で検索
・自殺系サイト:3558件
・メンタルヘルス 自殺:27686件
桁が違ってました…。
おそらく作者のことですから実際に検索したはず。
「反自殺クラブ」の初出誌が2004年8月ですから、
単純に7ヶ月程度で約4000件、約17000件増ですか?
無理やり胃をもたれさせる結果となりました。
今更電車男 [本2005]
もの凄く今更な話題ですが。
本のタイトル知ってるぐらいで、なんの前知識もなく読んだら泣きそうになりました。
恋愛もので泣きそうになったのは、めぞん一刻の最終巻以来です。
よくよく考えてみるとそう珍しい話でもない気がしますが、
なんの前知識もない方は是非一読を。
amazonの書評を見ると酷評が目立つ感じ。
まとめサイトの方で読んでしまったので書籍の方はこれっぽちも買おうと思いませんが、やっぱり元ソースにはかなわないんでしょうかね。
印刷された文字だと掲示板特有のライブ感が味わえないのかも知れません。
あと、書籍になった時点で他の出版物との相対評価になります。
インターネットの記事ってなんの検閲もなく公開されるので、出版物に比べ「面白さレベル」(頭悪そうな言葉ですが)の平均が低い(このblogも平均点下げるのに貢献してるわけで)感じを受けます。
出版物だと当然出版社が面白いから売れると思って初めて世に出るわけで一定の水準は満たしてるわけです。例外もありますが。
ただで読めるネット上の読みものとしては格段に面白いけれど、お金だして読む書籍だと自然に評価も厳しいものになります。amazonの評価が星3.5って妥当な評価かと。
ただで読める読み物で書籍として平均点越えの評価って結構すごいと思います。
ライブ感で思い出したのですが昔こんなサイトがありました。
終わる世界
こっちは、リアルタイムで読んでてブルーになってました。
書評を見ていたら後日談があるんですね。
後日談 電車男の時刻表
後日談を読むと興ざめすることが多々あるので読むべきか読まざるべきか。